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柳の木の下でブランコを漕ぐ

俳優窪田正孝さんを楽しむ私の隠れ家

『東京喰種トーキョーグール』1巻を読んだ②

『東京喰種トーキョーグール』

 

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  • 太宰治は『斜陽』でこう書いていた…「私は確信したい。人間は恋と革命の為に生まれてきたんだ」と…僕もそうであると信じたい…

これはカネキがリゼとデートする前の晩(半 "喰種" になる前)にカネキが考えていたこと。私はこの作品は異質な者の理解や異質な者との共生を問う物語だと考えているのだけれど、このエピソードは、カネキがこれから「"人間" と "喰種" の相互理解」という革命を引き受けていくことになること、それを担うポテンシャルがカネキにはあることをさりげなく暗示している。

半 "喰種" となった後、 "人間" でも "喰種" でもない自分がどこにも居場所のない孤独な存在だと絶望するシーン。店長がカネキにかける言葉にも彼がこれから担うことになる役割の重要さが示唆されている。

"どちらでもない"? それは違う。君は "喰種" であり同時に "人間" でもあるんだ。ふたつの世界に居場所を持てる唯一人の存在なんだよ。

 

"私たちの店(あんていく)" へ来なさい。"喰種" の生き方を教えよう。人間の居場所を守る道にもきっと繋がる筈だよ。

 

そして少しで良い。人間である君に私達のことを知って欲しい。我々がただの飢えた獣なのかどうか。

カネキの恋もこれから出てくるのだろうか。 

 

 

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  • "喰種" が人間の肉以外に唯一口にできるのはコーヒー

この設定も面白い。この物語が本当に「 "人間" と "喰種" の相互理解」という革命を描いているのだとすれば、小さなことでも "人間" との共通点があるというのは大きい。"喰種" たちが昼間にコーヒーを楽しむ喫茶店「あんていく」(安定区ということ?)の雰囲気にはほっとさせられるし、コーヒーしか飲めない "喰種" たちの習性を知った後では、人肉でしか食事を楽しめない彼らを同情の気持ちで見てしまう。

あと、あえてコーヒーを選んだのは、かつて悪魔の飲み物と考えられていたコーヒーの歴史を考えると意図的だろうか。

コーヒーは悪魔の飲み物|コーヒートリビア | コーヒーはUCC上島珈琲

 

でも、窪田くんコーヒー飲めないんだよね。カネキを演じてたら嗜好が変わるかしら。

 

  • リゼの死、臓器移植は偶然か否か

実は鉄骨落下事件は仕組まれたものなんじゃないか。医者は実はすべてを分かっていて、意図的に "喰種" の臓器をカネキに移植したんじゃないか。こんな可能性も考えてみるのだけど、個人的にはすべて偶然であったという方が生物の突然変異のようでいいなと思う。

"喰種" たちは再生能力が高く、ちょっとした事故では死んだりしない一方で、"人間" は脆く、簡単に命を失う。普通に考えれば、カミキが死に、リゼが生き残りそうなものなのに、事故によって生き残るのはカミキだった。この点が、一見ありえないことがありえてしまうという事件性を強調しているし、何かとんでもないことが始まってしまった、という予感を募らせる。

追記(7月3日):4巻を読んでたら、やっぱり鉄骨落下事件はただの事故ではないみたいですね。まだ真相はわからないので、とりあえず読み進めます。

 

喰種研究家ってどうせ "喰種" なんでしょう? と思うのだけど、どうなんでしょう。

 

 つづく。

yanabura.hatenablog.jp