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NHK 土曜ドラマ『4号警備』第1話:ドラマの演出について

昨日の記事で、ドラマ『4号警備』が身辺警護という仕事を依頼人の「生きる」に向き合い、死や危険を一緒に乗り越える仕事として描いていると書いた。今日はそれにまつわるドラマの演出について考えてみる。

 

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死や危険を一緒に乗り越える仕事としての警備

「死や危険を一緒に乗り越える仕事」としての警護は、視覚的にはドラマのなかで橋や橋に類するものによって表現されている。例えば、朝比奈と石丸が広瀬の警護を行う最初の場面が、踏み切りを一緒に渡る場面であることもそのひとつの表れだと考えられるだろう。

その他にも、このドラマにはつぎのようなさまざまな場面で橋や橋に類するものが登場する。

4:00 朝比奈と石丸が高速道路を見渡す場所からバートランドを乗せた飛行機を見送る

5:23 朝比奈と石丸が出会う

17:55 会社から出た後、朝比奈が石丸に声をかける

26:50 警備会社の窓から見える橋

一方で、橋の下を流れる川や走る電車や車、人間の流れ(スーパーへ駆け込む客、廊下を逃げるひと)などは危険や死と結びつく。舞台となる警備会社の近くに川が流れているのも、警備が危険・死と密接に関わることの暗喩と捉えられるだろう。朝比奈の恋人が転落死する場所も高架化された駅前広場であったし、予告のなかで阿部純子演じる上野が転落する場面でもこのイメージが使われている。

死と川、水と女性

死と結びつけられる川のイメージは、広瀬が母親について語る場面(写真上)とボクシングジムで荒れる朝比奈の場面の直後に挿入される数秒の川の風景ショット(写真下)に登場する。亡くした誰かを思い起こすとき、画面には川が映り込んでいる。

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また、水はしばしば女性を表すものとして芸術作品に登場するが、この二つの場面では、川という水辺が広瀬の母親と朝比奈の恋人というように女性の存在を絡める効果をもたらしている。この点、石丸の場合には、石丸の部屋にある水槽やそのなかを泳ぐ二匹の金魚によって妻や娘の存在や彼らに対する石丸の態度が暗示される仕掛けになっている。

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